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フォトグラフ




何かの拍子にカカシはイルカに聞かれた。
「カカシ先生、海を見たことがありますか?」
その問い掛けにカカシは「ある。」と答えた。
「海の色って青なんですよね?」
そう言えば、そんな色の時もあった。
海水は透明なのに、海面の色は青なのだ。
「でも、夜の海は真っ暗で黒かったですよ。波も高くて恐ろしい感じがしました。」
「へええ。」
イルカは興味深そうにカカシの海の話を聞いていた。
聞き終わると遠くを見ながら言ったのだ。



「俺も海を見てみたいなあ。」
その言葉はカカシの心に長く残った。



「あれ?カカシ先生ですか。」
ある日、カカシとイルカは里の本屋で、ばったりと出会った。
カカシは休日を利用して本屋を訪れており、またイルカも同様らしかった。
今日のイルカは任服を脱いで、若者らしいラフな服装をしている。
「こんにちは。」
イルカは朗らかに挨拶をしてきた。
カカシが手に開いて、持っている本を見て面白そうな表情を浮かべた。
「カカシ先生、いつもの本の他に、そんな本もお読みになるんですね。」
「え?ええ、まあ。」
カカシは罰の悪そうな顔をした。
手にしていたのは、たくさんの色々な海が載っている写真集だったからだ。

イルカはカカシの持っている写真集を覗き込み、憧れるように呟いた。
「綺麗な海・・・。」
カカシが手に持っているというのに、長く海に見蕩れていたような気がしてイルカは、はっと身を引いた。
「すみません。お邪魔してしまって。」
頭を下げて、去ろうとするイルカをカカシは呼び止めた。
「イルカ先生。待って、ちょっとだけ。」



イルカの返事も待たずにカカシは海の写真集の会計を済ませると、イルカの手を引いて本屋を出た。
本屋を出たところで、買った写真集をイルカの手に渡す。
「これ、どうして?」
「あのですね。」
カカシは言い難そうに、頭を掻きながら早口で言った。
「明日、イルカ先生の誕生日って知って。だから、えーとですね、前に海を見たいって言っていたから・・・。」
「俺の誕生日・・・。」
「本当の海を見せてあげたいと思ったんだけど、それは無理だから。」
ふっとイルカの顔が緩んだ。
「そうだったんですか。」
それでこれを、と手の中の写真集を見つめた。
「ありがとう、カカシ先生。」
「いいえ。」
イルカの素直な言葉にカカシは嬉しくなり少し赤くなった。
「喜んでもらえたら、俺はそれで・・・。」


それからイルカを見つめて、こう言った。
「誕生日は明日だけど。」
見つめる眼差しは温かく優しい。


「誕生日おめでとう、イルカ先生。」









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